ゴミの中から1600万円!拾った人はいくら貰える?

ゴミの中から1600万円!拾った人はいくら貰える?

落とし物やゴミ袋の中から大量の現金が発見されるというニュース、時々テレビで見かけます。

 拾ったお金については、1割がもらえると聞いたことがあるでしょう。実は、落とし物(遺失物)に関するルールについては、法律でしっかりと定められています。ただ、そのルールに関し、今年訴訟にまで発展したケースがありました。

2021年5月16日、沖縄県恩納村が管理する一般廃棄物の最終処分場で、男性が友人と一緒に、趣味の釣り具を探していたところ、廃棄されていた圧力鍋の中から現金1600万円が入った封筒を発見。男性らは、拾得者として村の職員に連絡をし、村の職員が、拾得者(拾った人)を村として、警察に届け出がなされました。

遺失物は、警察に届け出の後、3カ月間の公告期間内に持ち主が現れない場合には、拾得者がその物の所有権を取得することができます(民法240条)。また、物の所有者が現れた場合は、遺失者は「当該物件の価格」の5~20%に相当する価格を、報労金として拾得者に支払う必要があります(遺失物法28条1項)。

その後、落とし主が現れなかった今回の事件で、実際に1600万円を発見したのは男性らですが村が拾得者として届け出をしました。その結果、村に1600万円の取得権限があるとして男性らにお金を引き渡さなかったところ、男性らがその返還を求め、提訴することになったのです。

 今回の裁判の難しいところは、拾った場所が村の管理する廃棄物処分場であるという点です。廃棄物処分場に持ち込まれたものの所有権は村にあると考えられますので、それを持ち去ったら窃盗罪や占有離脱物横領罪にもなり得ます。また、そもそも廃棄物処分場に釣り具を探しに入るのは建造物侵入に該当する可能性もあります。

裁判は、今年8月に村が男性らに600万円を支払う内容で和解が成立したとのことです。ただ、男性らも村も、このお金の大半を寄付したようです。誰が得した訴訟なのかわからないという結論ですね。

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