孤独を感じやすい人は常に脳が活動し知的な人と判明!! 想像・記憶を駆使、神経ネットワークも緊密、だが超ヤバい危険もある?
人は本当に暇なときはいったいどんなことを考えているだろうか。過去を振り返ったり、友人のことを考えたりする人は孤独を感じやすい人物であることが最新の研究で報告されている。
孤独な人は常に脳を働かせている
近年多くの人が一人で過ごす時間が増えたかもしれない。部屋で独りで過ごしていれば孤独が意識されてきても無理はないが、人一倍孤独を感じる人もいれば、まったく苦にならないという人もいるだろう。また友人知人に囲まれた状況でも孤独を感じるという人もいる。
孤独に対するこのような感じ方の違いはいったい何に起因しているのか。最新の研究では孤独を感じやすい人とそうでない人には脳活動に違いがあることが示されている。孤独を感じやすい人は何もしていない状態でもさまざまなことを考えているというのだ。
カナダ・マギル大学の研究チームが2020年12月に「Nature Communications」で発表した研究では、 孤独な人々の脳活動にいくつかの特徴があることを発見した。それは「デフォルトモードネットワーク(Default Mode Network)」と呼ばれる活動的な思考を行わない時に無意識に脳が行う脳内ネットワークの活動が、孤独を感じやすい人はより活発であることが突き止められたのだ。
仕事も何もしていない時、いわゆる“ボーっと”している時の脳の状態はデフォルトモードネットワークと呼ばれているが、孤独を感じやすい人はこの時、回想、将来の計画、さまざまな想像、他者についてなど等々の内省的な思考をめぐらせていることが判明したのである。
孤独な人々は常に脳を働かせているという意味で知的な人物であるとも言えるが、その一方で過ぎ去ったことをくよくよと考え、不測の未来を懸念する心配性の人物であることにもなる。
強い孤独感はメンタルヘルスに悪影響を及ぼすことが各種の研究から報告されているが、メンタルの健康のためには、やはりあまり余計なことを考えないほうがよさそうだ。
実は、孤独は主要な健康問題として認識されており、以前の研究では、孤独を経験する高齢者は認知機能低下や認知症のリスクが高いことが示されている。孤独感が身体に及ぼす影響を理解することで、健康問題につながるリスクを回避できる可能性もあるという。