チョコレートはなぜ白くなるの?食べても平気なの?
ダークチョコレートやミルクチョコレートに、白い光沢が出たり、白い斑点ができたりすることがあります。何が起きているのでしょうか。また、白くなったチョコレートは食べても大丈夫なのでしょうか?
ハロウィンやバレンタインデー、イースターのエッグハントでもらったチョコレートをいよいよ食べようと思ったら、青白い斑点がついていることに気がついたとします。これは食べても大丈夫なのでしょうか?
結論から言うと、チョコレートは食べても大丈夫です。この現象は、「チョコレート・ブルーミング」と呼ばれる自然な反応によるものです。チョコレートがなぜ白くなるのか、また白くなるのを防ぐにはどうしたらよいのかを知るには、チョコレートがどのように作られるかを理解する必要があります。
オーストラリア・タスマニア大学の研究化学者であるネイサン・キラ氏は、「平均的なカカオ豆は化学反応を起こし、おいしい風味を生み出す。平均的なカカオ豆には、約50%のココアバターと50%のココア繊維が含まれています」と語っています
ちなみにココアとカカオの違いは木、さや、豆は通常「カカオ」と呼ばれ、「ココア」という言葉は発酵とロースト後の豆にのみ使われるとのことです。
ココアファイバーは通常のチョコレートに色と味の大部分を与えるのに役立ち、ココアバターはチョコレートのコクに関与する。ココアバターは人間の体温くらいで溶けるので、チョコレートの「とろけるような感覚」を生み出すそうです。
カカオ豆を焙煎した後、殻とニブ(豆の「肉」)を分離し、ニブはその後、カカオマス、ココア・リカー、チョコレート・リカーと呼ばれるペースト状に粉砕される。リカーと聞くとお酒をイメージするかもしれないが、その名前とは裏腹にチョコレート・リカーにはアルコールが含まれていないのです。
そしてダークチョコレートはカカオマスで作られています。ミルクチョコレートは牛乳で作られています。ホワイトチョコレートは、ココアバターと牛乳で作られ、ココアファイバーは含まれていないとのことです。
チョコレートが白くなるのは、お菓子の中の分子が動き出すことで起こります。そしてこの白くなる現象にはシュガーブルームとファットブルームの2種類があります。
シュガーブルームは、「チョコレートを湿った環境で保存したり、冷蔵庫から冷えたチョコレートを取り出して湿った空気にさらすことで発生します。シュガーブルームは、表面がざらざらとした砂粒のような、細かい斑点状の外観として目立ちます。
ファットブルームは、熱や光への露出、不適切な取り扱いによって、ココアバターがチョコレートの表面に移動したときに起こります。そしてファットブルームは、白い光沢や白い斑点として現れてきます
ショコラティエがチョコレートを作るとき、テンパリングと呼ばれる液体チョコレートを加熱・冷却する工程があり、「チョコレートに強度と素晴らしい光沢、滑らかな口溶けを与えるそうです。「白くなったチョコレートは結晶構造を失っているため、溶ける感覚が損なわれ、風味のバランスが崩れてしまうのです。そして糖分、脂肪分、カカオ繊維が不調和になり、もろく、魅力的でなくなっています。
大手チョコレート会社は、ココアバターの量を減らしたり、植物性油脂などのブルーム抑制剤を加えることでファットブルームを抑制しており、砂糖やココアパウダー(ココアバターを除去して乾燥させ、粉末状にしたもの)を加えることでも白くなるのを抑えることができるそうですが、これらの添加物はチョコレートの風味に影響を与え、時にはワックス状やグミのように見えることもあるそうです。
ちなみに白くなったチョコレートを復活させるのはかなり簡単で適切なテンパリングをすることで、結晶構造を整え、輝きやキレ、滑らかな口溶けを取り戻すことができるのです
白くなったチョコレートは無害なので、電子レンジで素早くテンパリングして復活させたり、焼き菓子やフォンデュにして食べて見てはいかがでしょうか。