防衛省は北朝鮮から発射された可能性のある弾道ミサイルが黄海の上空で消失したと発表しました。また、宇宙空間に物体が投入された可能性は低いと推定されています。防衛省は詳細な分析を進め、人工衛星の打ち上げだった可能性について調査しています。
一方、北朝鮮は国営通信を通じて軍事偵察衛星の打ち上げに失敗したことを明らかにしましたが、原因の調査を行った後、2回目の打ち上げを行う意向を示しています。
防衛省によると、北朝鮮からの弾道ミサイルは黄海上空で消失し、日本の上空や排他的経済水域への飛来は確認されていません。防衛省は沖縄県の上空を通過する可能性があったとして、自衛隊の迎撃ミサイルの部隊を展開していますが、破壊措置は行っていないと述べています。
防衛省は今回の発射について、弾道ミサイル技術を用いた人工衛星の打ち上げだった可能性があると考えており、詳細な分析を進めると同時に、6月11日までの期間は警戒態勢を続けるとしています。
日本の政府関係者は北朝鮮に対して自制を求め、関連する国連安保理決議の順守を要求しています。
専門家は、北朝鮮が軍事偵察衛星を保有する理由について、アメリカ軍などの軍事行動の情報をリアルタイムで収集し、軍事力を補完し、平和と安全を脅かす意図があると指摘しています。
情報によれば、日本航空はパイロットに発射の情報を伝えるなどの対応を行っており、海運会社も船舶への注意喚起を行っています。
北朝鮮政治の専門家は、北朝鮮が軍事偵察衛星の打ち上げに失敗した場合でも、また打ち上げが行われるだろうと述べその理由について、専門家らは以下のような見解を示しています。
- 軍事能力の向上: 北朝鮮は弾道ミサイル技術の開発と同時に、偵察衛星を利用することで、敵国の軍事施設や動きをリアルタイムで監視する能力を強化しようとしています。これにより、戦術的な優位性を獲得し、敵の軍事行動を予測・回避することが可能になります。
- 抑止力の向上: 北朝鮮は自身の軍事力を強化することで、アメリカやその同盟国に対して抑止力を発揮しようとしています。偵察衛星を通じて、敵国の軍事施設や戦力の配置、作戦計画などを把握することで、攻撃を受ける可能性を減らし、自身の安全を確保しようとする狙いがあります。
- 政治的な意図: 北朝鮮は偵察衛星の保有を通じて、国際的な存在感や威信を高めようとする意図もあります。衛星技術の開発や打ち上げ成功は科学技術の発展や国家の独立性を象徴するものとされ、国内外の評価を向上させる効果があります。
ただし、北朝鮮の宇宙開発技術は初期段階であり、地上の撮影や交信、管制システムなどの面で限定的な能力しか持っていないとされています。また、複数の偵察衛星の保有を目指していることから、今後も打ち上げを繰り返す可能性があると考えられています。
なお、北朝鮮が速やかに2回目の発射を行うとしていることや日本航空や海運会社が引き続き警戒を強めていることからも、今後の状況に対する警戒が必要とされています。