【三井住友FG、金融不安収束の兆しか。AT1債の大型発行へ】

【三井住友FG、金融不安収束の兆しか。AT1債の大型発行へ】

【三井住友FG、金融不安収束の兆しか。AT1債の大型発行へ】

三井住友フィナンシャルグループは、19日に永久劣後債(AT1債)の発行条件を発表しました。AT1債は、金融機関が発行する債券の一種であり、発行元が自己資本比率が一定水準を下回るなどした場合に、債券を元本削減したり、株式に転換することができる債券です。3月にクレディ・スイス・グループのAT1債が全額無価値となったことを受けて、国際金融システムで重要な金融機関(G-SIBs)が新たにAT1債を起債したのは、今回が初めてとなります。

三井住友フィナンシャルグループは、新年度入りして投資ニーズが旺盛なことも追い風に、総額1400億円を発行する大型案件となりました。また、このAT1債の発行は、米シリコンバレー銀行破綻に端を発した米欧の金融不安の連鎖が収束する新たな兆しとも言えます。

AT1債は、3月にスイス当局が同業による買収が決まったクレディSのAT1債を全額無価値としたことで、価格急落に見舞われました。その後、G-SIBsが新たにAT1債を起債したのは、今回が初めてとなります。三井住友フィナンシャルグループとしては、昨年12月以来のAT1債となり、発行総額の1400億円は2017年12月の1500億円以来の大きさとなります。

三井住友銀行がAT1永久劣後債を発行し、5年2カ月後と10年2カ月後に期限前償還が可能になる特徴がある。この債券はクレディ・スイス危機以来、日本の主要銀行が発行する初めてのAT1債券であり、1,400億円の調達額を目指す。AT1債券は、自己資本比率が一定水準を下回った場合に株式に転換されたり、元本が削減される可能性があるため、投資家にはリスクがある。しかし、クレディ・スイスの場合、公的支援があれば無価値にする特約が付いていた。AT1債券の弁済順序は株式に優先することが原則であるが、国や根拠法によって異なるため、投資家は注意が必要である。三菱UFJフィナンシャル・グループも、5月下旬以降にAT1債券を発行する予定である。

参考:Bloomberg

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