好調「povo2.0」の向かう先 サブ回線の利用増でも“基本料金0円”を維持できるワケ

好調「povo2.0」の向かう先 サブ回線の利用増でも“基本料金0円”を維持できるワケ

好調「povo2.0」の向かう先 サブ回線の利用増でも“基本料金0円”を維持できるワケ

記事によると

長期に渡って契約し、毎月ほぼ決められた料金を払うのが一般的な携帯電話、スマートフォンだが、それとは真逆のコンセプトで登場したのがKDDIのpovo2.0だ。他社のオンライン専用プランと同様、20GB一択でスタートしたpovo1.0を全面的に刷新し、トッピングで自由にデータ容量を買い足せるサービスを実現した。トッピングは、データ容量だけでなく、コンテンツにも広げている。

 2022年9月に1周年を迎えたpovo2.0だが、2022年は楽天モバイルの0円プラン(UN-LIMIT VI)廃止や、KDDI自身の大規模通信障害もあり、バックアップ回線としても再び脚光を浴びた。基本料0円で維持でき、使いたいときだけ使えるコンセプトが、時代のニーズにマッチした格好だ。こうした事情もあり、2022年11月のKDDI決算発表時には、およそ150万契約程度まで伸びていることが明かされている。

一方で、トッピング自体は、サービス開始当初から大きくは変わっていない。代わりに投入されているのが、有効期限やデータ容量が通常とは異なる期間限定のトッピングだ。例えば、2022年10月には90日間有効な3GBのトッピングを1280円(税込み、以下同)で発売。年末年始に合わせ、データ通信が7日間使い放題になる1800円のトッピングを発売した他、1月20日からは大容量トッピングの25%増量キャンペーンを展開している。

 では,povo2.0はなぜこのような動きをしているのか。同ブランドの今とこれからを、KDDI Digital Lifeの代表取締役社長、秋山敏郎氏に聞いた。

バックアップ回線として使う人が増えている

―― povo2.0の開始から1年4カ月がたちました。1周年からは少し時間が空いてしましましたが、この1年4カ月を振り返ってどうだったかをお聞かせください。

秋山氏 本来挑戦したかったところにはまだ至っていませんが、先々目指したいところに向けてロケットを発射し、第1段を切り離せた――そんな印象です。自由に使いたいときに使いたいだけという基本的なUX(ユーザー経験)を掲げ、コンセプトを理解していただくのが第1段と思ってやってきました。メジャーな動きとしては、期間限定トッピングのようなものを、手を変え品を変えやっています。期間限定を出したらこういうふうに使っていただけるという基本的なことも分かってきました。

 (2022年7月の)通信障害ではさまざまな方にご迷惑をおかけしてしまいましたが、お客さまからの評価自体は2022年12月に過去最高になりました。NPS(ネットプロモートスコア=ユーザーの推奨度)は通信障害で少し下がってしまい、そこは申し訳なかったのですが、回復してきています。

―― povo2.0に関してはサブ回線として持っているユーザーも多いと思いますが、それでも通信障害の影響は大きかったのでしょうか。

秋山氏 そこはお客さまによります。影響を受けた方も大勢いるので、おわびしなければいけないのは当然のことです。お客さまからの信頼回復を重要視しなければいけないのは当たり前のことですが、そこからもう一度基本に戻り、今いらっしゃるお客さまにどうすれば喜んでいただけるのかに集中した数カ月でした。

 一方で、障害のとき、こういうことがあったらバックアップ回線が必要という声も出てきました。povo2.0に関しては、そういう使い方をしていただけます。その(バックアップ)回線が落ちてしまったらお話になりませんが、通信や携帯の使い方を見直したり、新しい使い方を考えたりするきっかけにはなったと思っています。

 例えば、新しい使い方としては、DAZNパックをやらせていただいていますが、それを見るためだけに使うというようなこともできます。ベタッと月額課金で2年、3年使うというのではなく、新しい使い方が生まれてくることを目指しています。こう言ったら怒られてしまうかもしれませんが、そこに向けて時計の針が進んできた感じはしています。と述べている。

以下、記事全文

DAZNなどのサービスを使うためだけの端末として使用するというやり方は今まで携帯業界では確かになかったように筆者は思う。総務省によって販売価格が低く抑えられ、従来の大幅値引きによる訴求が難しくなった今、新たな販売手法が生まれてきそうだ。

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