生活コスト上昇。自分へのご褒美として海外で話題の“マスティージビューティ”とは?
記事によると
厳しい懐を直撃する物価高騰
英国をはじめ、世界中で起きている生活費の危機が、いかに深刻なものであるかは疑う余地がない。ブランドにとっても消費者にとっても、誰もが窮屈な思いをしているのは誰が見ても明らかだ。
しかし、リップスティックを纏ったときに得られるちょっとした心の贅沢、そして高品質の美容アイテムがもたらす確かな効果という、2つのニーズの中間領域に急浮上しているのが、“マスティージビューティ(masstige beauty)”という新たな美容カテゴリーだ。
手の届くラグジュアリーへのニーズ
マスとプレステージを組み合わせた“マスティージ”という概念と言葉は、2003年にM.J シルヴァースタイン氏とフィスク氏が「ハーバードビジネスレビュー」の“Luxury for the Masses”で初めて紹介した。
彼らの研究によると、ラグジュアリーはもはや豊かさだけに固執するものではなく、手の届くラグジュアリーという概念を補完するものであると解釈された。
「マスティージブランドは、生活費が高騰する今、本領を発揮するでしょう。金銭的に困窮しているとはいえ、消費者は美容製品の購買を止めることはしません。その一方で、より良いコストパフォーマンスを求め、より賢い購買決定をするでしょう」と話すのは、トレンドをリサーチする「WGSN」の美容部門でトップを務めるシエナ・ピッチオーニだ。
頻繁に使うものは価格を見直す傾向に
実際、英国のある調査によると、英国では5人に1人がスキンケアにかかるコストに不安を感じており(18〜25歳では3人に1人)、多くの人が美容ルーティンに、現状の効果を維持しつつも、より効果的で容量も多く、より手頃な価格を求めている。